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●サライに載りました● 
2002.0404号

【特集】物語を秘めた
名桜を観に行く


4月5日に、ついにぜんまい桜が咲きました・・・杉は観た!!&沖茂八さん


何と!1ページをはみ出してデカデカと掲載されています!

・・・以下内容抜粋・・・

ぜんまい桜
●福井・今立町(いまだてちょう)

越前和紙を伝えたとされる
川上御前(かわかみごぜん)の物語を秘める

エドヒガンの大木。樹齢は300年以上。
大滝集落は古くから越前和紙の里として栄えてきた。
大滝神社のなかに岡太(おかもと)神社があり、
そこには紙の神様、川上御前が 祀(まつ)られている。

その昔、ひとりの女性(川上御前)が大滝の集落を訪れた。
そこは岡が連なる、痩(や)せた土地 。
女性は苦しい村の生活ぶりをみて、紙漉を伝えた。
村人が女性に問いかけをすると、川の上流に住まう者といって姿を消した。
桜は名前が示す通り、紙の山でゼンマイが採れる時期に開花するところから
この名前がある。


所在地・・・福井県今立郡今立町大滝23-10(大滝神社山林)
JR北陸本線武生(たけふ)駅から福鉄バス戸の口行きで約30分
「和紙の里会館前」下車。徒歩45分。
大滝神社(下宮)のさらに奥の院に向かう山道の途中で、眺めることができる。
見頃は4月上旬〜下旬



大滝神社のさらに奥です。
ここまで歩いたら、さらに奥の院まで歩いて・・・日本で唯一!
1500年の歴史を 今に伝える紙の神様 、川上御前を是非参拝下さい。


毎年ゴールデンウィーク5月3.4.5日に、1500年の歴史ある、和紙の祭りが催されます。
奥の院に、安置されている川上御前のご神体が一年にこの3日間だけ、
里宮の大滝神社に降りてこられます。

このときしか、ご神体を拝むことは出来ません。

御神輿ワッショイです。

3日のお迎えの儀式を「お下り」(おおり)
5日の別れの儀式を「お上がり」(おあがり)
と言います。

川上御前をお送りした後の、静けさと、静かな唄は感動ものです。
最後の手締めも面白いです。5日夜11時ぐらいかな〜

去年のお祭りはこちら・・・


「ぜんまい桜」私は全然知らなかった・・・早速調べてみました

すると・・・思わぬ人が出てきました。

 

ここは大滝神社の里宮から奥の院に向かう・・・参道とでも呼べるような場所です。

「ぜんまい桜は何処ですか」とお聞きすると・・・もっとずっと先!!と

 

 

あれ、どこかで、お目に掛かったおじいさん?・・・

そうそう、沖茂八さんです。

MO紙(エムオーシ)は水彩画用紙として、有名ですね

MOは沖茂八のイニシャルです。

 

天然記念物「ぜんまい桜」の碑があります。

このぜんまい桜は、沖さんが山奥の桜(サライの写真の桜です)から取り木して植えたそうです。

20年前に・・・

 

話は続きます。

その昔、作家「水上勉」が越前和紙を題材に「弥陀の舞い」という小説を書かれました。

水上さんはは何度も大滝神社に足を運んだそうです。

 

そして、地元の名士の三田村酒造の主人や上市(人間国宝岩野市兵衛)に話したそうです

「あの山奥のぜんまい桜をもっと里に持ってきて、みんなに見せるべきだ」と・・・

 

沖さんは、その言葉に動かされ、山奥のぜんまい桜の取り木に挑戦します。

そして20年前に植えたのが、この里宮近くのぜんまい桜です。

 

 

元の桜の子供ではなく分身だ!と熱心に、話していただきました。

普通のソメイヨシノは、とても生命力が弱く50年たつと、「天狗の巣」という病気に掛かって殆ど枯れてしまうそうです。

しかし、この野生のぜんまい桜は、非常に強い、たぶん350年は経っているとのこと。

  こちらは沖さんが取り木した、大滝神社一の宮近くの桜・・・この桜は割と早くから咲き始めて、長く咲いているので、参道に植えたそうです。
 

その奥には、まだ、幼いぜんまい桜も・・・これも沖さんが取り木したものです。

中にはそろそろ蕾が膨らみ始めたものも・・・

3月26日現在

 

取り木の秘伝・・・

よろしければ、見学にお越し下さい。

大滝神社下宮から奥の院に向かう左手・・・一群の桜が目印・・・この桜には沖さんの魂が眠っています。

・・・沖さんは平成16年永眠されました。現在は圭司さんがその技を継承されています。

 


例年ですと、和紙のお祭りの時期にも咲いているときがあります。
ぜんまい桜も観ることができるかも・・・

でも今年はちょっと開花が早いかも??

今現在は、まだまだ蕾の状態ですよ〜
是非、和紙の物語を楽しみに、いらっしゃい!!


●番外編●時期ハズレなので、注意!!

 

これが!
大滝神社と岡太神社の里宮です。

需要文化財に指定されています。

今回のお話の桜はさらにこの鳥居を通り越して、里宮を左に見て、さらに直進して山登りしてください。

名桜は簡単には拝めません。

 

 

今立、越前和紙の里で取材されると、必ずと言っていいほど、このアングルが掲載されます。

杉原商店は、この写真の丁度中央に写ってます。
左から伸びた、山すその一番右、丁度写真中央です。

 

さらについでに、現在の(2002.0329)
杉原商店の庭の梅は満開です。

 

   

 


これだけで終わる杉ではございません。

4月5日ついに山登りしました。

 

「ついに、ぜんまい桜が咲いたよ!」
こんな声が届きました。

うーん、遠くて見えない?

 

 

デジカメを目一杯望遠して・・・この程度

この写真の中央下が・・・例の「ぜんまい桜」です。

ちなみに、左上に突き出た緑の杉は

「大杉」と呼ばれ、この和紙の霊山を守る守護神的な大木

和紙の神様「川上御前」を祀る奥の院の近くにドッカと根ざしています。

4月5日ついに山登りしました。

 

しかし、これじゃ、観た事にならない!

それで、夕方、仕事を終えて5時半に霊山「大徳山」に向かいました。

すると、またまた沖茂八さん

杜の番人・・・といったところか
沖さんの後ろの、取り木したぜんまい桜も満開・・・となると奥の本物も・・・

  「杉原さんが言ったとおり・・・いろんな人が毎日みえるは・・・」「名古屋から来た人もあったし、京都から来た人も・・・」

沖さん、毎日、登る人々に声を掛けているみたいです。

やはり、サライの威力はすごいです

 

そして、ついに私は登り始めました。5時30分開始!

こんな坂道をゆっくり上ってゆきます。

祭り以外に登ることは、滅多に無い。(そう言えば、このまえアメリカから・・・まっいいか)

 

途中右に左に、このような説明文が目に付きます。

親子連れでも楽しめるかも・・・

 

大きな木にもケヤキとかブナとか色々付いてますね〜

いつも夜しか登らないから、以外に新鮮

 

途中、こんな展望台があったりします。

遠く武生の町並みがみえます。

 

おっ、ついに中間地点のマーク
(って勝手に私が思ってます)

この鳥居がみえると、紙の神様を安置する奥の院までの道のり・・・約半分なんです。

時間は5時40分・・・なんだアッという間じゃん・・・

 

さらに5分ほど登ると・・・ついにカンバンが!

「天然記念物
大滝神社のゼンマイサクラ
昭和39年6月5日県指定
大滝神社 管理
山サクラで樹高23・目通り4.8・地上から3・のところより2つに分かれ古いツタが一面 にからみゼンマイの取れるころ花が満開になるのでこの名が付けられた。
今立町」

 

このカンバンを右にみて・・・

山登りの道から外れます。

たぶん、このアングルがサライに載ったアングルです。

まだ随分向こうですね。

 

さっ、近づいてゆきましょう。

あれ、結構遠い!

そして、結構デカイぞ!

 

うわ〜

真下まで来たら、大木だ!

サクラなんて全然みえない遠く彼方に花がみえる・・・なんじゃこりゃ。

 

ちなみに、どれくらい太いか・・・

比較するものがないので、不本意ながら、私が一緒に入りました。

セルフタイマーで山の中にデジカメをセットして・・・

私が写っているの分かります??

 

そうこうしているうちに、若いアベックが、登ってきました。

あっ、私はお邪魔ね・・・お邪魔・・・

 

しかし、思ったより大木で

ビックリしました。

気持ちいい!

 

知らないうちに、夕焼けですね。

下にみえるのは、和紙の里今立とその奥は、紫式部ゆかりの武生平野が広がります。

 

カンバンを折れずに、そのままこの道を登り続ければ・・・

奥の院・・・紙の神様(紙祖神)「川上御前」にお逢いできます。

今日は日も暮れてきたので、これまで。

しかし、面白かった〜

5月3日〜5日の祭りにまた来ます。

     

 

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このページは「和紙のソムリエ」&「和紙キュレーター」 杉原吉直すぎはらよしなおがお届けしています。
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