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Big size Washi by order.

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Special thanks

Haruko Seki / in London
Studio Lasso Ltd

とまつ衣裳店エントランス修景

デザインコンセプト

とまつ衣裳店では、「おぼろ染め色打掛」というオリジナルな色打掛を新しく開発し、提供しています。これは、小桜縫いしめ絞りとおぼろ染めを融合し、新しい感性を表現したものです。選び抜かれた職人さんの手によって半年以上の時間をかけて括られた数万の緻密な絞りによる作品です。

とまつ衣裳店エントランス修景デザインの依頼をいただいた際に、戸松社長よりこの「おぼろ染め絞り」をデザインのヒントにできないか、というご意見をいただきました。

とまつ衣裳店では和装のみならずウェディングドレスなどの洋装も数多く扱っているため、和洋折衷のイメージを表現することと、おぼろ染め絞りのような工芸作品の緻密な手仕事の持つ温もりや細やかさ=「日本の良きこころ」をエントランスに表現できないものかと考えました。

そのため、和紙という和の素材で洋の斬新なデザインを国際的に展開している福井の杉原商店の和紙(特注製作)を左右のショーウィンドウに配し、植栽はシンボルツリー(主)に錦木(世界三大紅葉樹、古くは女性への求愛の道具に使われたという)、副に南天(難を転ずる)、添えに沈丁花(歓喜、永遠の花言葉を持つ)のみのシンプルなものとしました。床に配した白砂は祝祭のハレの気配を演出するものです。

階段へのアプローチに立つと、奈良の夢の森工房制作による「ガラス石」に刻まれた「WELCOME」の文字が来客を迎えます。このガラス石は、特殊なガラスを丁寧に砕き、手作業による集成の後、高温にて焼成し再結晶させた工芸硝子で、温かく繊細な素材感をかんじさせるものです。

子供の成長を祝う七五三、新たな旅立ちを祝う卒業式、そして二人の門出を祝す結婚式など、日本人は人生のハレの日を折々に細やかな感性で織り成して来ました。そうした大切なイベントの演出を手がけるとまつ衣裳店のエントランスに、日本人の緻密で繊細な感性を、和紙+工芸硝子の温もりのある素材感、光と影の織り成す複雑な陰影によってシンボリックに表現することが修景の主な狙い(コンセプト)になります。

最後に、錦木を主題として詠まれた西行の和歌をご紹介したいと思います。

立ち初(そ)めてかへる心はにしきぎの ちづかまつべきここちこそせね (西行、山家集・中(恋))

文:関 晴子(Studio Lasso Ltd)

 

プロジェクトチーム:

デザイン・施工監理:関晴子(Studio Lasso Ltd)

植栽・施工:株式会社芳樹園

和紙制作:株式会社杉原商店

硝子石制作:谷村竹材工業株式会社 夢の森工房

サイン文字制作・設置:株式会社CSコーポレイション

和紙設置:長谷川聡(L建築)、加藤ゆう(永遠工房)、湯本純子(CMD-JAPAN)

 


 


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